3D printing does my talking

3Dプリンター沼に首まで浸かった男の末路

Prusa i3向けアップグレードのまとめ

過去1年にわたって、金と時間を費やしまくりアップグレードしてきたPrusaの記録をここにまとめる。全部は書ききれないので、とくに効果があったもののみ。

 

1. MZ76 v2 ギヤードエクストルーダー

Prusaはフィラメントを送り出すホブギアとステッパーモーターが直結されているが、このMODはギアを挟んで3:1に減速するもの。減速する分トルクを稼げるのでその分薄いステッパーモーターを使うことができ、軽量なエクストルーダーになる(≒高速印刷ができる)。そして減速する分よりなめらかにフィラメントを送り出すことができるようになる。同時にオブジェクトファンの吹出口も良い設計のものに変わるので、かなり印刷がきれいになる。

 

2. Nylock Nut

Prusaのプリントベッドは反りを調整できない、Xキャリッジ直付けになっている。

反り矯正はせずに、反りをPINDAセンサーで測定してソフトウェアで補償する、という設計。

しかし、やはりプリントベッド自体がフラットであるに越したことはないので、反り調整機能を追加するこのMODを入れてみた。

プリントベッドの端の方まで使う場合はやはりベッド自体をフラットにしてあげたほうがFirst layerでトラブることがなくなる。気がする。

 

3. V6 hotend

フィラメントを溶かし、しかし溶かしすぎないようにする必要があるのがこのホットエンド。上から順にヒートシンク、ヒートブレーク、ヒーターブロック、ノズルという構成になっている。フィラメントはヒートブレーク下端から溶け始め、ノズル出口では完全に液体になり、押し出されることで3Dプリントが可能になる。

ヒートブレークをステンレスからチタンにすることでより高温での印刷が可能になる。厳密には熱伝導率が悪くなるために熱がヒートシンクへ上がりにくく、高温時にヒートクリープが起こりにくくなるという仕組み。

ヒーターブロックはアルミからニッケルメッキ銅にすることで、熱伝導率が上がり、温度センサーの温度とノズル温度がよりよく一致するようになる。加えて、アルミよりも高温時に変形しにくいのでノズルが緩みにくくなり、樹脂漏れが減る。熱容量もアルミより少し高いので、温度も安定するのうになるかもしれない。

ノズルはカーボンなどが入っていないフィラメントを印刷するならニッケルメッキ銅が一番綺麗に印刷できるように思う。

ホットエンド周りはAliexpressのTriangle labで買うのが鉄板。Mellow storeでも良さそうだが、私は買ったことがないのでなんとも言えない。この2社以外の出所不明ノズルは基本的にゴミだと思ったほうが良く、Prusaを使うなら高価な割に真鍮のKaika6XXまで買う必要はない。ギヤードエクストルーダーを使っているからか、銅ヒーターブロックのおかげかは知らないが、Triangle labの銅ノズルとKaika604で印刷品質に差はなかった。Twitterを見ていると吐出の安定しない中華プリンターでは効果がある模様。

 

4. フィラメントドライヤー

eSUNの安いやつを使っているが、PETGやPLAならこれで十分。フィラメントは湿気をすうとどんな高級品を高級機でプリントしてもぐちゃぐちゃになるので、このアップグレードが実は一番重要。

使用している/したことがある3Dプリンター

所有しているプリンター

1. Prusa i3 Mk3 クローン

Prusaの安い中華クローン機。送料込みでも4万円しなかった。

組み立てもそう難しくなく、プリント済み部品のセットも売っているのでハードルは低い(別売)

色々手を入れていて、特にギヤードエクストルーダーMODがお気に入り。

 

2. Voron V2 2.4 (ビルド中)

オープンソースのプリンター。

Core XYというプリントヘッドに常時2つのモーターからトルクを掛けることで高速印刷ができる方式。

これも中華キットを買って、SSRやヒューズなどの安全装備を中心にパーツを交換してビルドしたもの。

可動部品はPC-CFで密度をかなり落としてプリントして軽量に仕上げているので、高速印刷向き。

チャンバーも排気フィルターもあり、何でも高速にプリントできて最強。

基礎設計から高速志向のHevORTやRatrigには負けるものの、宙吊りガントリーは結構面白い。

 

 

過去使ったことがる(≠所有していた)プリンター

1. Makerbot Replicator2

3Dプリンター黎明期に広く普及したプリンター。

糸引きもきつくメンテナンス性も悪かったが、はじめて触れたプリンターなので何だかんだ言って思い入れもある。

 

2. ヒートチャンバー式

名前は忘れた。ヒートチャンバーが付いていて、ABSとPLAをデュアルヘッドで同時プリントできるものだった。

プリント後に超音波洗浄機と溶剤でサポートを溶かすことができるので便利だった。廃液の処理は面倒。

 

3. Makerbot Replicator Z18

大きいReplicator。大モノを一発で造形できるのは便利だが、こんな大物をプリントすることはあまりなかった。